怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか

怪獣の名はなぜガギグゲゴなのかタイトルだけ見ると何の本かわからないけれど、クオリアの視点から言葉のサブリミナルインプレッションを探る本。と言っても何の事かわからない。例えばママ、マリア、マンマという単語に共通のイメージは、生きるために根源的に必要なもの、絶対的安心感を与える存在。そして共通しているMの子音は赤ちゃんが最初に獲得する子音で、Aの母音は最も開放的な母音。だから体を通じて発せられる響きが単語の意味実態と結びつく、といった話がいろいろ載っている。僕が考えている「身体」という問題とも絡んでくる。どうやら商品のネーミングヒントを求めている企業人を主な対象に捉えて書かれているみたいだが、僕の場合には声楽関係の作曲の時や現場の指導の時に方法論として有効な引き出しをたくさん作らせてもらえた。声を扱う人、声で何か表現をする人全般にとってヒントになりうる事がたくさん書かれているので色々な人にお勧め。ただ、直接的にそのまま何か使えると言うというわけではないので、何か別の知識や経験と結びつける必要がありそう。「優れたピアニストはタッチの具合によって半音程度までは調律のズレを調整できる」といった誤解に基づいた記述もいくつか含まれているので、部分的には話を差し引いて読む必要があるのが難点。論文としても論理に難ありといった感じ。あくまで「ヒントを見つけられるかも知れない」本という位置づけだと思う。でも他でなかなか見ない視点は魅力。怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか


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