オペラ座の怪人

映画の日だったので、妻と二人、近所の映画館へ。先日公開されたオペラ座の怪人を見てきました。ミュージカル版はまったく見た事が無く、予備知識と言えばパイプオルガンの半音進行のモティーフを聴いて知っていただけ。(余談だけど、あれは牧神の午後への前奏曲からアイディアを拝借したんだろうか?あれをゴージャスにffで鳴らすっていう発想はあまりに大胆で、パクリっぽくない巧いパクリだと思って聴いていたけど、本当のところはどうなのかな)で、映画の方ですが、途中まではそこそこ楽しめたものの、途中から音楽のヴァリエーションがかなり限られているのが気になって、退屈してしまいました。曲やモチーフが循環するのはまだいいけれど、その盛り上がり方やアレンジがいつも数種類の選択肢の中でシフトしているのが、どうしても長尺の映画のBGMとして聴くには辛い。何度も聴かせるには、それなりの変化を施して新鮮味や奥行きを保って欲しかったなぁ。尤も、これをミュージカルの舞台で聴いたら印象が違うのかも知れないし、映画版がどれくらい原作を再現しているのかも知らないから、全否定するつもりはないんだけど、あの映像や演技と一緒に楽しむには、ちょっと辛かった。全体の7割くらいはクライマックスを聴かされていた印象。筋の展開や演技を舞台風なままにしてあったのは、ミュージカル版ファンへの配慮なのかな。そのまま映像で見るとまどろっこしく、舞台じゃないんだからバッサリ切っても問題なかろうと思うところもチラホラ。それも音楽への飽きにつながっているかもしれません。こちらがスピーディな展開に慣れてしまっているだけかな。オペラ座の雰囲気がとても生き生きと描かれているのが見ていて心地よいし、冒頭での、カメラが鳥瞰的な視点から地上に降りてくるシーンは美しくて、期待を抱かせるに充分な導入。そして映像はいつもきらびやか。豪華な雰囲気を味わえます。妻は好印象だったようで「少なくともハウルよりは面白かった」と言っていたし(たしかにハウルは・・・)、好きな人が多くいるであろうこともわかる。興味のある人は見ておいて損はないと思います。ただ、僕みたいな見方(聞き方)をしてしまいそうな人は、是非、忍耐力のある時にチャレンジすることをオススメします。


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