SONGS 1906-1920 IGOR STRAVINSKY

SONGS 1906-1920 IGOR STRAVINSKYという楽譜をたまたま見つけたので買ってみたのですが面白い!ストラヴィンスキーは1882年生まれなので24歳から38歳にかけての歌曲がいろいろ入っているわけですが、その時期は「花火」に始まって所謂3大バレエ、兵士の物語やプルチネラを書いたあたりと重なっています。(前に日記に書いた、8重奏曲は1922年なのでこの時期の少し後)反復と複調の試みを次第にモノにしていく過程がよく見えます。彼の手が大きかったであろう事もピアノの音程の扱いから良くわかるし、その手の感覚から広い音域にわたって不協和な音をキレイに配置していく感覚を得ていったであろう事も想像できます。それから和音だけでは決して発想していないこと。どんな細かいパートも常に旋律の中に組み込まれるように計算されていて、複数のパートが合流するポイントで合点がいくように作られている。ロシア民謡を素材とした曲が多いけれど、これは確固たる土台があってこそ実験をやりやすかった、という事なのかもしれないな。歌詞は殆どがロシア語。意味はまったくわかりませんが、音の動きだけで楽しめます。発音がついたらきっともっと面白いんでしょう。まとまった歌曲集のCDでも出てないかな。1曲1曲音源は探していくのは骨が折れそうです。クラリネット3本(Es,A/B,Bassの3人)が伴奏している「猫の子守歌Berceuses du chat」あたりは是非とも聴いてみたい。#Doverにしては表紙の発色が美しいのもポイント。手にして気持ちよい鮮やかさです。


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