人体実験

今日は面白い経験をしてきました。本郷にある東大に行って実験室で脳波の測定をしてきたんです。お題目は「音楽家が音楽をしている時の脳の状態を調べる」です。とはいえ、こういった研究はまだ始まったばかりの段階なので基礎的な実験を行っている段階。音楽家が音楽をしている時にはきっとかなり複雑な事を瞬間瞬間に感じたり考えたりしているのではないかと思うのですが、それらを全て解析できるようになるにはまだまだ時間がかかるんでしょう。多分。「どういうメロディーを名曲として聴いているか」なんてのがわかったら、今後(職業的に)便利になりそうだし、興味あるところです。(笑)ただ、一方で「どれだけ研究を重ねてもわからないところに感動があるから音楽には神秘がある」なんてことを信じてみたい気もするんですけどね。実験はかつてO真理教がつけていたヘッドギアみたいなやつを頭に付けて行われました。そこから照射されるレーザー光線の戻り具合で大脳皮質あたりの血流がわかるらしい。血が盛んに動いている辺りはその瞬間に働いている部位だ!って結論になるようです。(ちなみに照射されるレーザーは人体に害はないようです。)僕は髪の量が多くて毛もけっこう太いのでヘッドギアをつけるのにも苦労していましたが(こういう人はレーザーが届きにくくなるみたいです)なんとか装着完了。ヘッドギアを付けたら電子ピアノの前に座ります。電子ピアノの上にはモニタが置いてあってその画面に映る楽譜を見たり指示をうけたりしながら実験は進みます。実験は大きくわけて4パターン。1)楽譜を見せられて初見視奏2)流れてくる音を聴く3)親指を他の4指とランダムにくっつける運動。(指の体操みたいに)4)体を動かさずに楽譜を読む。多分脳波を音楽している時と区別するんでしょう。短い休憩を挟みながら、それぞれをごく短いスパン(15秒とか)で4、5回行います(毎回課題は違う)。4パターン全てが終わると長めの休憩をとってから、同様の実験をもう一度行いました。きっとこれはデータの平均化を測っているんでしょうね。実験素材は全部がJ.S.バッハ。パルティータやフランス組曲あたりから取り出されていました。いろいろな意図があってこれらの曲が選ばれたようですが、僕は緊張と実力のためにボロボロになりました。(T△T)初見ができるかどうかは実験の目的じゃなかったようなので支障はないんですが、でも、あまりに弾けなくて精神的なダメージが。そういうダメージも脳波に出てるのかな。(笑)計測が終わった後に「なんでバッハが素材なんですかぁ?」と質問をしたり、「バッハの位置づけってどんな感じですか?」なんて質問をされたりして実験は終わりました。実験結果はデータを解析しないとわからないそうですが、実験していた先生がひとこと「堀内さんの場合はとっても脳波がキレイです!」と言ってくれたのが印象に残りました。これは果たしてホメコトバなのかなぁ?(笑)作曲家はほぼ例外なく左脳型人間なんですって。そんな中、僕だけ右脳型人間、なんて結果が出ないように祈りつつ本郷をあとにしたのでした。結果が楽しみ。


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