書籍・雑誌

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逃れの森の魔女(作:ドナ・ジョー・ナポリ /訳:金原瑞人・久慈美貴 /青山出版社)を読了。いやぁ、面白かった!誰もが知っている「ヘンゼルとグレーテル」を下敷きにした一種のパロディなのだけど、実にクオリティが高いです。パロディとは言っても、ヘンゼルとグレーテルの話を進行しながらデフォルメしたり、茶々を入れたりして面白おかしくしているわけではありません。本来の話の前に壮大な前置きを置いて、前置きそのものが本編になるくらいの世界を構築する、そして話の結末に従来の「ヘンゼルとグレーテル」を持ってくる事であっと言わせるシカケが浮き彫りになってくる・・・。よく考えたなぁ!すげー!と、ポンと膝を打つような面白さ。童話の世界を、まるごとひっくり返したような視点で見せてしまうんだから。すげー。これを読んでしまうと、今後は普通の童話を読んだって「悪い魔女が森に住んでいました」も「怖いオオカミがこちらを見ています」も、素直には受け入れられないだろうな。何もしていない段階で勝手に「悪い」「怖い」と説明してしまう著者に疑問を抱くようになる、ハズ。

先日、「フィンランドの音楽」という本を入手したので読んでみていますが、これが面白い。知らない作曲家が出てくるわ出てくるわ。(^▽^;)「コルテカンガス」とか「セーゲルスタム(作曲家としての)」とかが出てきたら「お、メジャー!」と思う。サーリアホやマグヌス・リンドベルイが出てきたら「おお!超メジャー」とか思う。そんな感じで、あちらの国の作曲家の名前がバンバン出てきます。何せ書いているのが名前だけ一人歩きして有名なカレヴィ・アホさん(他)ですから。きっと北欧音楽ファンなら垂涎の的でしょう。フィンランドのオタヴァ出版から出ている本ですが、何故か大変嬉しい事に日本語版が出ています。しかも、日本スカンジナヴィア音楽センターさんが実費で頒布してくれると言うではありませんか。(ホームページのお知らせ欄参照)僕もこのホームページでお願いして分けていただきましたが、事務局の方の話によると残りが少ないそうです。無くなる前に気づけて良かった。これを読んで申し込もうと思ったアナタ。注意して下さい。件のページは、申し込みフォームもメールアドレスも死んでいるので多分ハネられます。ホームページを良く探してみると、生きているアドレスが見つかるのでそこから頼んでみるが吉。夕方に東京フィルハーモニーの事務の方から突如電話あり。別に東フィルから連絡貰う覚えなんてないぞ!?と思ったら面白い話でした。作曲をやっているからとかいうのは多分関係なくて、東フィル会員に登録している人から無作為に抽出したのでしょう。「来シーズンのプラグラム案を作成中なので、実際に東フィルのコンサートに通っている人に見て貰って意見を貰いたい」という趣旨の話でした。それも電話ではなくて対面希望なのだそうです。面白そうなので、明日会う約束をしました。クラシックのコンサートに行くと、アンケート用紙に「あなたがこのオーケストラのコンサートで聞きたい曲目は何ですか」なんて項目が書いてある事がある。気が向いてアンケートを書く時には「なんと言ってもツィンマーマンの『兵士たち』」とか「ヴァレーズの『アメリカ』と『アルカナ』を一晩で!」なんて採算合わなそうなことを書いてくるんだけど(もちろん実現したら万難を排して足を運びます)それ以外にマーケティング調査をしているなんて話は全く知らなかった。だいたいどれくらいのサンプルを取っているのかな?とりあえず現代音楽好きとしては沼尻/東フィルの三善晃3回シリーズを絶賛して、同種の意欲的な企画があれば確実に通い詰めると断言した上で、どこでも聞けるようなクラシックの曲目はよほど演奏者が魅力的でない限りは食指が動かない事をアピールしてこようと思う。いずれ願いが通じますように。

練馬のBOOK OFFで『ある「完全な音楽家」の肖像』を発見。アンリエット・ピュイグ=ロジェの記録。気になっていたけど買うのを躊躇していた。500円で美本なら躊躇する理由はない。彼女の存在を知ったのは没後しばらく経ってから。現在活躍中の人の経歴に彼女の名前を見かける度に、彼女の大きさが思われる。今からでも学べるものは学んでみたい。同じ棚で十二音による対位法も見かけた。これも500円。完全に新品同様。持っているので買わなかったけど、もとの持ち主が何の目的でこれを買って、手放したのか気になる。作曲をやっているか興味のある人だろうけど、それなら少しは勉強してみてから手放してみても良さそうなもの。興味ないのにうっかり買う本ではないもんなぁ。練馬のBOOK OFFで『ある「完全な音楽家」の肖像』を発見。アンリエット・ピュイグ=ロジェの記録。気になっていたけど買うのを躊躇していた。500円で美本なら躊躇する理由はない。彼女の存在を知ったのは没後しばらく経ってから。現在活躍中の人の経歴に彼女の名前を見かける度に、彼女の大きさが思われる。今からでも学べるものは学んでみたい。同じ棚で十二音による対位法も見かけた。これも500円。完全に新品同様。持っているので買わなかったけど、もとの持ち主が何の目的でこれを買って、手放したのか気になる。作曲をやっているか興味のある人だろうけど、それなら少しは勉強してみてから手放してみても良さそうなもの。興味ないのにうっかり買う本ではないもんなぁ。

詩人の高塚かず子さんから嬉しい贈り物。「女性たちの現代詩」という6月に出た新刊本に高塚さんの作品が所収されていて、その中の彼女のプロフィールに少し「猫祭」のことも触れてあるので、ということで送ってくださった。josei「日本100人選詩集」という副題でわかるように、この本は日本の女性詩人100人のアンソロジー。「現代詩」なので、金子みすゞとかは入っていない。殆どの方は現在活躍中の進行形の方。先年亡くなられた吉原幸子さん、多田智満子さんなどの作品もおさめられている。一人一遍。そして作者の言葉、略歴付き。今日いただいたばかりなのでまだ全然目を通せていないけれど、さっと目次を見ただけでも胸が躍る。ああ、この詩も、あの詩も、そういえばかつて感動したんだった、と思い出すタイトルがいくつも。決して詩に詳しい訳ではないのに。気がついてみると、僕は女性詩人の詩が好きなのかもしれない。好きな詩人と言えば、女性詩人の名前の方が多く挙がる。もちろん知らない詩人や作品も収められているので、これから丁寧に読んでいこう。今ちょうど、神奈川の合唱団に来年書き下ろす新作のテキストを探し始めたところ。こういうタイミングは神様がくれるものだ。この中から出会いを見つけろ、ということかな。素敵な詩に巡り会えますように。詩人の高塚かず子さんから嬉しい贈り物。「女性たちの現代詩」という6月に出た新刊本に高塚さんの作品が所収されていて、その中の彼女のプロフィールに少し「猫祭」のことも触れてあるので、ということで送ってくださった。「日本100人選詩集」という副題でわかるように、この本は日本の女性詩人100人のアンソロジー。「現代詩」なので、金子みすゞとかは入っていない。殆どの方は現在活躍中の進行形の方。先年亡くなられた吉原幸子さん、多田智満子さんなどの作品もおさめられている。一人一遍。そして作者の言葉、略歴付き。今日いただいたばかりなのでまだ全然目を通せていないけれど、さっと目次を見ただけでも胸が躍る。ああ、この詩も、あの詩も、そういえばかつて感動したんだった、と思い出すタイトルがいくつも。決して詩に詳しい訳ではないのに。気がついてみると、僕は女性詩人の詩が好きなのかもしれない。好きな詩人と言えば、女性詩人の名前の方が多く挙がる。もちろん知らない詩人や作品も収められているので、これから丁寧に読んでいこう。今ちょうど、神奈川の合唱団に来年書き下ろす新作のテキストを探し始めたところ。こういうタイミングは神様がくれるものだ。この中から出会いを見つけろ、ということかな。素敵な詩に巡り会えますように。

長い間探していた本を入手!帰宅したら、注文してあった本がポストに!届いていたのは朝日出版社のヨーロッパ音楽の歴史(上巻)。下巻だけははかろうじて店頭在庫を見つけて買ったんだけどねぇ。上巻はどうやら絶版になってから久しいようです。日本の古本屋に出てるよ〜と情報を貰ったので早速注文を出して無事購入できたのでした。情報提供者のしゃー君、ありがとう。<(_ _)>西洋音楽史の本にもいろいろあるけれど、この本はとりわけ、歴史の中でそれぞれの事象がどう影響しあっているかを常に意識しながら書かれている点が素晴らしい。他の多くの本はもっと一つ一つの事象の説明に終始しているような気がするけど、こうやって流れを読ませてくれる本は、まだ他に知らないなぁ。もちろんそれぞれに一長一短があって、パッと読んで一つの項目だけを調べたい時にはその他大勢の本や事典をひも解いた方がいいんだろうけどね。「ヨーロッパ音楽の歴史」が絶版になっている背景はもしかしてそのあたりに関係があるのかな、なんて気もします。(西洋音楽史のテスト前にあわてて知識を詰め込む本としては不向きだから。)でも、こういう本も生き残れるような需要があって欲しいな。全てのものが手軽になればいいってものでもないでしょう。じっくり取り組んではじめて見えてくるものも大切にしていきたいですから。

楽天ブックスに注文してあった本が届いた。1冊はエレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する。物理の本。超弦理論の入門書としてわかりやすい、とどこかで書評を見かけたけれど果たして僕に理解はできるのか。(^-^;もう1冊はバッハの音符たち―池辺晋一郎の「新バッハ考」(音楽之友社)。月刊誌音楽の友での連載を1冊にまとめたもの。池辺さんのわかりやすい語り口で、うまく専門的な視点も取り入れつつ難解にはならない程度に、名曲の名曲たる所以を解き明かしてみる本。池辺さんの良さがうまく引出されていて、誰に対しても開かれた本になっていると思います。音楽之友社は最近いい仕事が増えてきていると思います。この勢いで頑張って欲しいですね。因みにもう1冊。同じく池辺さんのモーツァルトの音符たち―池辺晋一郎の「新モーツァルト考」も注文してあったのに在庫切れだって。売れてるみたいですね。増刷が8月下旬になるらしいのでどこかで店頭在庫を見つけて買ってしまおうかな。

以前は電車の移動中には楽譜を読んでいたりしたけど、最近は読書に方針転換。ちゃんと活字にも触れておかないとね。この間は小泉文夫さんの音楽の根源にあるもの(平凡社ライブラリー)を読了。いい刺激を受けた本です。まだ知らぬ民族音楽にたくさん触れたくなった。特に鯨を狩るエスキモーの歌と言うのに触れてみたい。次に読んでいるのは平田オリザさんの「演劇入門」(講談社現代文庫)。別にこれから劇団に入りたいわけでもないんだけど、劇作法にちょっと興味があるので買ってみた。。何か役立つことがあるかもしれないし。まだ殆ど読めていないなかでナルホド!と思ったのはインターネットについてちょっと触れた下り。平田さん曰く、「話し言葉(だけ)で書く」と言うことはずっと歴史上戯曲作家だけの専売特許のようなものだった、と。それがインターネットが出てきたことで特に話し言葉の書法を身につけているわけでもない一般の人が不特定多数の人の目に触れる話し言葉を「書く」状況が生まれてきた。これは今までの状況には無かったこと。そこで、対面の会話や手紙なら何でもないようなことでケンカになってしまう状況がしばしば起こっている、と。(記憶で書いているから多少あやふやですが)おおよそこんな感じのことが書いてあります。(本としてはちょっとした余談程度に書かれていますが。)僕自身も思い当たることがいくつか。最近も身近かな人が巻き込まれてしまったばかり。そうは言いつつも、特に訓練したわけでもない話し言葉をこうして書きつけてしまっているわけですが(^^;)人のことばを読むときには割り引いて、また人にことばを書くときには迂闊に傷つけてしまうことのないように一層気をつけるように心がけたいものです。特に僕はことばが冷たくなる傾向にあるみたいだから気をつけないと。(^^;)

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