対位法から和声へ 第2回 

SNSでのみ告知していたので、こちらでは報告のみになってしまいましたが、1月26日に連続講座「対位法から和声へ」の第2回を行いました。

今回取り扱ったのは、ヨーロッパで13世紀から15世紀にかけて使われていた記譜法である「定量記譜法 mensural notation」。前回紹介したネウマ譜との、音楽上生じる違いを説明する入門編。ですが、いきなり定量記譜法の奥義とも言えるオケゲムの「比例ミサ Missa prolationum」を具体的な例として紹介したほか、同じオケゲムの「任意の旋法によるミサ Missa cuiusvis toni」の紹介をし、実践的な例え「定量記譜法でしか表し得ないもの」を解説しました。

実際に音符の一つ一つに分け入って、オケゲムの手と耳を追っていくような作業は、僕自身にも刺激的で面白い時間でした。

 

今回の参加者で、普段は宗教曲を多く取り上げる合唱団で歌っているというNさんの感想の転載許可を頂いたので、以下に転載します。

 

本日出席した、lecture日独楽友協会主催・連続音楽講座
『対位法から和声へ 第2回
”定量記譜法の基礎とオケゲムの比例ミサ” 」

・・・・のノートまとめ中。あまりに濃い内容と、資料も多いので、まとめるのにも時間がかかる。ああ、大学時代を思い出すわ。
タイトルだけ観ると、音楽の講習とは思えないよねー”定量”とか”比例”とか、まるで数学の授業のようだ。

実際、講座を聞いてみると確かに数学的要素が満載。
というかほとんど全て。
やっぱり音楽って数学から来ているんだ。理性だ。左脳だ!?

最初のネウマ譜の回は事情があって欠席したんだけど、悔やまれるわ。合唱とか歌にはあまり関係ないかと思ってたのだが、逆だった。

宗教合唱曲を歌うなら聞いておいて損はない、どころか重要な知識。
たとえBrevisがなんだとか定量譜が完璧に読めなくても、
「ああ、ここで3という数字が出てくる。Trinityだ。三位一体だ。
でその倍数でここまでくるのか。
さすが基督教!」
・・・・と頭に入れられるとそれだけで全然違うと思う。
そして頑張ってみたらば、
美術館とか博物館で奇麗な羊皮紙に書かれた譜面をみて、
いきなり歌えちゃったりするかも?

さて、もうひと頑張り。

 

定量記譜法は、現代記譜とは違っているし、今ではルネサンス時代の曲の多くは「翻訳」された現代記譜のものが入手できるので、定量記譜法の読み方を知らないままにこれらの音楽に接している方も多いと思いますが、翻訳の過程で生まれるデメリットも存在します。それは具体的にどういう事か?という事にも触れつつ、大作曲家オケゲムの凄さの一端をご紹介しました。

 

この連続講座、次回は3月に開催予定です。詳細が決まったら追って発表します。


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