Who is afraid of 20th Century Music? BOX20世紀音楽なんて怖くない、とでも訳せばいいのかな。現代音楽なんて、と置き換える方がもっと直感的でいいかも。作曲をやっている人の中にすら現代音楽聴かず嫌いで、現代音楽に対して「あんなヒュードロドロなものはイヤ」と言ってしまう人がいる。一部の前衛音楽はそう思われてしまうのかもしれないし、(演奏も含めて)質の低いもの、効果ばかりつなげたようなものは、たしかに聴いていて面白くない。でもそれは現代音楽に限った話じゃない。どんなジャンルでも一定数のクダラナイ、つまらないものは含まれているはず。で、このボックスは現代音楽聴かず嫌いな人に良いかもしれない。耳あたりのいい曲が並んでいるし、中には新鮮に聴けて楽しめる曲も見つかるだろう。これをきっかけにしてもっとコアな現代音楽を聴いてみたらどうだろう。逆に、現代音楽を聴き慣れた人にはモノ足りないかもしれない。けど、ショスタコーヴィッチのポルカを聴いて彼の技量にニヤッと驚き楽しむのもいいかもしれない。こういう企画を毎年、それもジルベスターコンサートで続けてきたMetzmacherに拍手というところ。(聴衆が実に嬉しそうに反応するのだ!!)演奏の水準は、残念ながら万全ではない。曲によってはオーケストラの機能的な限界が見えてしまう。でも、指揮者によってよく方向づけられた演奏なので不用意に場違いなパートが混入するようなことはきわめて少ない。僕の使い道はBGM。いろんなスタイルの曲がどんどん流れてくるし、気軽ではあっても一流の作曲家の曲ばかりで、軽さに裏打ちされた質の高さに心躍らされる。
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