一応活動報告のつもりで。
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第5回伊豆ニューイヤーコンサート
2007年1月28日(日) 17時開演
会場:三島市民文化会館大ホール(JR三島駅から徒歩10分)
入場料:自由席/3000円 学生/1500円
演奏:伊豆室内オーケストラ(コンミスが沼田園子さんです)
曲目:モーツァルト セレナータ・ノットゥルナ
プーランク(編曲:堀内貴晃) 音楽物語「ぞうのババール」
チャイコフスキー フィレンツェの想い出
http://www.watervision.or.jp/saishin/izu-nyc2007.htm
真ん中の曲目、プーランクの「ぞうのババール」はもともと朗読とピアノのための曲です。そのピアノ部分を変則的な室内オケに編曲しました(ホルン、打楽器、ハープ、弦楽器5-4-4-3-1編成)。
あまり知られていない曲ですが、とても素敵な、プーランクらしい愛嬌とイタズラ心が随所で発揮されている佳曲です。子供から大人まで楽しめる曲ですから、是非とも三島まで新幹線を飛ばしてください。
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以下はメモです。
編曲中、プーランクの語法で2つの新発見。
1)短調は、多くの日本人が思うような「悲しい和音」としての使用とイコールでつながらない。一つの音色としての使用が頻繁に出てくる。これは翻って、他のプーランクの曲でも言えそう。プーランク自身の演奏との関連も考えていけると思う。
2)フレーズの継ぎ足しの語法。曲によってはくどいくらいにフレーズ語尾のみを返送して幾度となく付け足していく。こういう部分は無反応に演奏したり、過剰に演出してもダレるだけになりそう。どこが付け足しの終着点かを見通して、ゴールまでのペース配分を計算するのが良さそう。意外と目立たないものなので作曲時も取り入れてみても良いかも。僕は、多分今まで1度も使っていない語り口。
台本(絵本)原作のジャン・ド・ブリュノフは若くして(38歳)で亡くなった。プーランクが作曲を開始したのはブリュノフの死後。ブリュノフはそもそも自分の子供2人のために絵本を作った。その子供は、片方はぞうのババールの2代目作家として親の跡を継ぎ(ロラン)、もう一人はピアニストとして活躍中(ティエリ)。ピアニストの方は日本ではブリュンホフと表記されているらしい。brunhoffだから、ブリュンホフの方が近いような気もするけど、ババールが有名になりすぎている事、絵本の想定読者層(たぶん幼児)にブリュンホフの発音は難しいと判断されている事が関係あるんではないかと推察。
ちなみにティエリ・ド・ブリュンホフによるババール録音は現在のところ存在しないみたいです。
フランセによるオーケストラ編曲版も存在していますが、これがよく見るとわりといい加減と言うか、フランセなりの配慮と言うか。
原曲の和音や旋律をちょこちょこ弄って変更しています。かなり目立つ和音の部分でもかなり目立つ変更を施していたりするので、僕個人の所感としてはやりすぎなんじゃないかと思います。プーランクはこの編曲に許可は出したようですが、万々歳だったのか、渋々承知という感じだったのか知りたいところ。
昨日、ようやく年末に出ていた舘野泉/岸田今日子版のCDを入手しました。たまたま再発売されたのが岸田今日子追悼版みたいになってしまったのは残念至極・・・。
中身が悪かろう筈はないので、これから聴いてみます。
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