今は、5月に初演予定の曲のことで頭がいっぱいです。日本語訳されたアメリカ先住民の民族口承詩をテキストにしようと思っています。あくまでテキストとして素材を求めるだけなので、民謡の作編曲とは全く違うものを計画しているのですが、ふと気がついてみると、僕はアメリカ先住民の音楽を殆ど聴いたことがないではありませんか。テキストには音楽と密接なものも含まれているのに、これではいかんじゃないかってことで、急遽CDショップのワールドミュージックに行ってみたものの、なかなかないんですね、アメリカ先住民の音楽が。そもそもワールドミュージックのコーナー自体が狭くて、小さいお店だと女子十二楽坊程度しか置いてなかったりします(笑)大きめのお店に行ってみると、ワールドミュージックは充実しているように見えるんだけど、なぜか北米地域の音楽は殆ど扱いがない。中南米(いわゆるラテン系各種)とかハワイ(高木ブーも発見!)は大変な賑わいなのに、北米はコーナーすらなかったり。結局、池袋のタワーレコード、WAVEとHMVでは発見できず。渋谷のHMVまで足を運んでようやく見つけることができました。レーベル名すら書いていない、あやしげな3枚組2000円ほどのCD。ポルトガル製。いろんな部族の歌が入っているみたいです。というわけで、苦労の末に入手したCDをこれから聴いてみます。これから書く作品に影響があるかどうかは、出来上がってからのお楽しみ。
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みなさん、TOTOべんきのうたってご存じですか?ホームページを見ても良くわからないのですが、どうも自然発生的にできた歌のように説明されています。(ということは立派な民謡??)実は、ひょんなことから、この曲をチェロとピアノに編曲することになってしまいました。(-。−;)どうやらTOTOが主催するコンサートの中で演奏するらしいのですが、依頼者からは「そのままアレンジするのではなく、もっといろいろアイディアを盛り込んで賑やか楽しい感じで」って頼まれました。・・・原曲には単なる掛け声の部分もあるわけで、依頼に応えようとすると、チェリストに「TOTOべんきのうた、歌ってみよう!」とか叫ばせなくちゃいけないんじゃないかと危惧しているんですが、それは僕のせいじゃないからなぁ。在京プロオケのチェリストにそんなこと言わせるのは大変気が引けるんですが、ごめんなさい。これも仕事です。許してください。というわけで、締め切りはまだまだ先なのですが、面白いのか気が重いのかよくわからない仕事をひとつ、引き受けてしまいました。いったい世間一般にはどれくらい認知されているのかなぁ。コンサートの時に誰も知らなくて浮いてしまうのが何より心配です・・・。
一日遅れで年賀状の当選番号の確認。今年は切手シート6枚獲得です。大体毎年切手シート2〜3枚がいいところだから、大躍進です。当たりの年賀状を送って下さった方、他の人より多めに今年一年の幸せをお祈りします。(笑)生まれてこの方、切手シート以外が当たった覚えがない。もちろん連番で印刷しているんだろうから、どこかに上位賞品を獲得している人はいるんだろうけどさ。人様から頂いた年賀状に、さらに何の高望みをしているんだという気持ちもあるけど(笑)、それでも当選を淡く夢みてしまいます。
ひゃぁ。気がつくともう10日も経過してるなぁ。時の経つのは早い!今日は阿佐ヶ谷まで行って連句アニメーション 冬の日ってのを観て来ました。今日が最終日。なんとか間に合って良かった。上映していたのはラピュタ阿佐ヶ谷という建物で、よく古い名画の連続上映とか、いろいろ面白そうなことをやってます。何年も前から気になっていたけど、実際に行ってみたのは今日がはじめて。サブカルチャーの匂いに満ち満ちていて、こういうの、僕は好きだなぁ。外見からしてかなりイっちゃってますが、阿佐ヶ谷にあるからか、さして周囲から浮いているというわけでもない。晴れた日曜日の午下がりにこのあたりを散歩したら気持ちいいだろうなぁ。さて、目的の「冬の日」。連句アニメって言うからには複数のアニメ作家さんが分担して作っているんですが、う〜ん。違いを楽しむって意味では面白いんだろうけど、クオリティの違い(作風のベクトルではなく)がありすぎて、中だるみは否めません。それぞれにハッとするような美しさはあるものの、それが持続や深みにつながっていかない・・・。冒頭の、ノルシュテインさんの担当部分が壮絶な美しさで期待を持たせるだけに、その後の展開が残念。・・・というのを素人目に感想を持ったわけですが、こういうのは専門の人はどう見るんだろう。もちろん技術とかコンセプトが凡百のテレビアニメと一線を画しているのはわかるんだけど、それを突き抜けたところにある根本的な訴求力を持った、もっと高水準な芸術性に行きついて欲しいな。それが簡単に乗り越えられるような壁ではないことは想像つくんだけどね。連句の中にひこねのりおさんという作家の作品が入っています。これを観て「あっ!カールのコマーシャルの人だ!」なんて思ったのが身近で嬉しいオドロキ。あまりに見慣れたためか、無意識に誰でも書けそうな、無個性な絵柄かと思い込んでいたけれど、あれはあれで強い個性なんですね。はっきりとした刻印があります。はじめてカール以外のキャラクターと背景を観ました。いろいろ思うところはあるけれど、でも滅多にお目にかかれなそうな、こういう作品をちゃんと鑑賞できただけでも満足。明日からは京都での上映をはじめ、西日本で見れるみたいですね。西日本の方は行けたら観てみて下さい。
今年最初の日記。年賀状が今年は遅れに遅れました。今日、やっと最終便を送ったところです。2日になってからようやく宛て名を書いているくらいなので、遅過ぎですねぇ。遅くついたみなさま、全く他意はないのでご了承ください。原因はといえば、年末から引きずった楽譜の仕事。おかげで大晦日も元旦もモニタを睨みながら音符を入力していました。合間にちょっとずつ作曲のメモをとったりもしていたけど。これほど正月気分と縁遠い気分で新年を迎えたのは初めてです。やっぱり年末までに一区切りつけないと、気分も切り替えにくいものなんですね。3 日にはピアノ伴奏の仕事をして、意気消沈。練習までは一度も間違えたことのないようなところを間違えたり、さんざんやらかしてきました。この本番に対する弱さは何なんでしょう。精神の弱さなのかな。演奏家の方々は、本番の緊張をいい方向に活かして、ステージ上でも普段通り、あるいは普段以上の演奏ができるんでしょうが、僕はそんなことができた試しがない。下手すると練習で初見で弾いた時の方が良かったりするかもしれないくらい。技術的な問題はもちろんのこと、この精神的な問題を克服できれば、もう少しナマミの音楽にも関れるだろうになぁと夢みます。「作曲家ってピアノとかすごい上手なんじゃないですか?」なんて、今までにもたくさん言われてきましたが、そのイメージは大きな間違いです。ピアノもできない人間は作曲家とは言えない、っていうなら、この言葉は真実なんでしょうけど。もちろん人並みに、あるいは人並み以上に相当素敵なピアノを弾く作曲家もたくさんいます。だけどその一方で、ピアノが得意ではない作曲家もいるわけです。結局は人それぞれ、ってことでしょう。勿論、弾ける弾けないは、その作曲家の作品や音楽観に大きく影響しているとは思います。はぁ、うまくなりたい。
今日は、3曲の編曲のうち2曲を仕上げ。あと残り1曲と、年内締め切りの仕事が少々。それが終わったら年賀状に取りかからないと。毎年の事ながら、ギリギリになってから慌てます。晩御飯に作ったチキンシーフードカレー(?)が思いのほかおいしく出来て満足。
最近 openArtというサイトを覗いてみてます。大量にプリントしている間に一本見てみたり。無料だけど、どうしてなかなか、佳作が見つかります。(勿論素人視点で見て、なんだけど)村田朋泰氏の「朱の路」はパペットアニメ好きには何とも言えず落ち着く世界。ピアノを弾く指が、ちゃんと音とシンクロしてるのは、音楽やってる人間としては嬉しいポイント。その辺で残念に思う映画とドラマってたくさんありますからね。シンクロだけではなくて、音の使い方も素敵。ちょうど真ん中あたりの部分で、バラバラに弾かれていた音がメロディにつながっていくところなんか、実に素晴らしいうつろい方。こういう音楽は、映像と一緒に聴こえてくると俄然輝き出しますね。永田ナヲミ氏の「注文の多い料理店」は宮沢賢治を映像化した作品。十分知っているストーリーを、飽きさせずに見せてくれます。テンポ感がカギなのかな?こういうタッチが嫌いな人はきっと嫌いなんだろうけど、僕は大好きです。この匂い。シュワンクマイエルのドン・ファンを思い出しました。原作の方はたしか小学校の国語で読んだような気がするんだけど、今にして思えば、よくこんなブラックな話が教科書で読めたなぁ。宮沢賢治って、意外にもシュールなところを持ち合わせてますね。…と、ブロードバンドの恩恵を感じている今日この頃。
25日の夢↓に触発されたのか、ひとつ忘れていたことを思いだしました。身近な人何人かにはお知らせしたと思いますが、11月1日付けで出版された楽譜が1曲あります。何年か前に書いた無伴奏混声合唱の小品「子守唄」(詩は立原道造)の女声合唱版アレンジです。アレンジとは言え、混声と女声では響きの構造が全く違うので、いくつかの要素を差し換えたり、ディナーミクが変わったりしています。カワイ出版から出ている「とりお・ざ・しみずのうたざんまい〜おかあさんコーラスのための」(改訂新版)に収められています。定価は1700円+税。改定前の旧版には収録されていないので御注意下さい。混声合唱版の方は出版されていません。楽譜を御希望の方は御一報下さい。同じ本に新しく収められた中では瑞慶覧尚子さんの「ばんがむり」が面白そうで気になりました。まだ音は聴いていないんですが、透明な合唱とピアノで響いたら、広がってゆく空間がきれいだろうなぁ。沖縄民謡を素材にしたものってピンからキリまでいろいろありますが、中でも瑞慶覧さんは着実に丁寧な仕事を重ねられていると思います。強く存在感を主張はしないものの、たしかな世界。
25日の未明に見た変な夢。場所はとこかのパーティー会場。何か、僕の曲の初演が終わったあとの打ち上げらしい。「オメデトウゴザイマス」とか曲の感想とかを話しかけてくる人々をかきわけて進み出てきたのが大江健三郎さん。あの丸メガネをかけている。大江さんはなにやらたくさん書き込んであるサイン色紙を僕に渡した上で今日の曲が良かったとかなんとか、話しかけてくれた。しばし話した後で大江さんは、あの丸メガネの奥から僕の目をじっと見据えて、シリアスな顔つきで「君の目はギャンブラーの目だ。」って言ってくるんです。続けて「大きな勝負に出るべきだ」とかなんとか。その後で目覚めてしまったので、夢はそこで終わりなんだけど、大江さんの本って高校生ぐらいの時に無理して読んでみたことがあるとか、何かの対談を読んだとか、そのぐらいの知識しか無いので、理由ない尊敬の念は漠然と持っているものの、特に憧れているわけでもない。ましてや面識があるわけもない。夢が、何かの象徴なのだとしたら、いったい何の象徴なんだろう?大江健三郎さんと、ギャンブラーの意味するものって?僕には珍しくカラフルな夢で、はっきり記憶が残っただけに気になる・・・。
夭逝の瀧廉太郎の呪いなのかなんなのか(^_^;)瀧廉太郎のアレンジが予想外に手間取ってしまいました。書き始めてみたら規模が膨らんで、単純なアレンジの枠を超えてしまった、というのが現実なので、手間取ったというよりも計画性が足りなかった、と言うべきなのかもしれない。「荒城の月」は一番最初に書きはじめたのに、脱稿したのは一番最後。最初に持った着想にこだわり過ぎて、うまくまとめられなくなったんです。最終的には、その着想を捨てることでどうにかまとまりました。楽譜を書いていると、小さなアイディアがポツポツと出てきて、それをうまく組み合わせられるように考えて行くわけですが、浮かんだアイディアは無駄にしたくないと言う哀しい貧乏根性のおかげで収拾がつかなくなることが良くあります。捨てる勇気が大切だってことは、言葉としては理解しているつもりなんだけどね。でもなかなか実行には移せません。最初に湧いた直感的なインスピレーションをありがたがりすぎているのかもしれないなぁ。勿論、一面では最初の閃きのようなものがイメージを助けてくれて、地道な作業からは生まれない発想を作ってくれることもあるんだけどね。取捨選択をうまくやれるようになりたいもの。おかげで鈴優会のみなさんには大変迷惑をかけましたが、でも初演は良くなりそうな予感です。ハーモニー感覚が抜群です。初見でも相当たしかな音楽を作ります。僕が言葉や身ぶりで少しサポートするだけで、音楽の構造や流れ、イメージを、つかんで描きわけるような引き出しもあります。本番の程良い緊張感の中で、どんな音楽を聞かせてくれるか。脱稿した側としてはわくわくして楽しみにステージを聴きたい一心。演奏する側はそれどころじゃないと思いますが。ごめんなさい。作品を委嘱するのは初めての体験、と仰っていましたが、世の中僕みたいな作曲家ばかりではないので、「作曲家」のイメージを僕基準にしないようにお願いします。(笑)「委嘱」ってのは多かれ少なかれスリリングな経験にはなりそうですけど。σ(^_^;)瀧廉太郎の曲は、ただ和声付け(単純であれ、コったものであれ)しただけでは、今日的感覚で新たに楽しむのにちょっと無理があるように思えたので、編曲の作戦として、原曲のメロディを尊重しつつも全く違う要素と結びつけて新しい世界に置いてみる、というやり口を主に使いました。トランスクリプションではなく、殆ど作曲ですね。お知らせが直前になってしまっいましたが、日曜の2時から、都合の良い方は是非是非こまばエミナースまでおいで下さい。他のステージの曲も充実した演奏が楽しめそうですよ!混声合唱団 鈴優会 第13回定期演奏会2003年12月21日(日)13:30開場 14:00開演こまばエミナースホール(京王井の頭線『駒場東大前』駅 徒歩6分)入場料¥1,800(全席自由)第1ステージ『Te Deum』KV.141 W.A.モーツァルト第2ステージ『瀧廉太郎の6つの歌』 堀内貴晃 編曲(委嘱初演)I. 荒城の月 II.雀 III.ひばりはうたひIV.秋の月 V.お正月 VI.箱根八里第3ステージ『昔の踊りうた(L.バルドシュ)』『谷茶前節(瑞慶覧尚子)』『ムダンサス(O.エスカラーダ)』『春の声(J.シュトラウス)』第4ステージ『どちりなきりしたん』 千原英喜指揮:名島啓太 ピアノ:太田由美子ゲスト出演:飯塚友浩(ダンス)