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Zeit: am 21.10.2010 (Do.), um 18 Uhr (nicht um 20 Uhr!)
Ort:  Kammermusiksaal der Musikhochschule Freiburg
Eintritt: Kostenfrei!

21日の木曜日、18時よりフライブルク音大室内楽ホールで修了コンサートがあります。どれもここフライブルクで書いた作品。ご都合のつく方、是非ご来場下さい。(入場無料)

 

— Programm —

Eine Weise für Flöte, Klarinette und Bratsche
(2010, Uraufführung)

Anémic cinéma – Musik zum Film von Marcel Duchamp (2009)

Tempo di Bolero für Tonband (2010)

Seesternchen – Umi no Hoshi – eine kleine Nachtmusik
(unter Verwendung der Tonleiter einer südlichen Insel)
für Fagott und Klavier (2010, Uraufführung)

Paris qui dort – Livemusik zum Film von René Clair
für 2 Kontrabässe und 4 Spieler (2009)

# Die allen Stücke stammen in Freiburg

Es spielen:
Sonoko Asabuki (Bratsche), Alexander Grebtschenko (Klangregie), Takako Horiuchi (Flöte), Yao Liu (Klavier), Ayano Miyazato (Fagott), Shiho Uekawa (Klarinette), Antal Papp, Hyunsu Woo, Simon Hartmann, Changdae Kang (Kontrabass)
Alistair Zaldua (Leitung)

今度の火曜日19日に、新作の発表があります。

FilmMusik-Abendと題された一夜。火曜日19時30分からWiehreの旧駅舎を改造した映画館Kommunales Kinoにて。http://www.koki-freiburg.de/
入場は5ユーロ、割引が4ユーロです。

作曲科の学生が作った映像のための音楽作品が並びます。
僕は今回、テープ音楽(と今の時代でも言うのかなぁ?)を作りました。タイトルはTempo di Bolero(ボレロのテンポで)。長く迷った末にふと思いついたこのタイトルがとても気に入ってます。さりげなく曲のいろいろを本質的に説明できるタイ トル。曲はもちろんボレロを素材としていて、16分あります。

プログラムは
Carlos Cotallo Solares
Minkyu Kim
Irene Galindo Quero
Fredrik Wallberg
Takaaki Horiuchi : Tempo di Bolero
Carlo Thomsen
の順。各作品のタイトルはいま手元にありません。

ドイツ在住でご都合のつく方は、ぜひお越しください。

珍しくポスターのデータももらえたのでついでに載せておきます。グリッドデザインがダイレクトに使われているあたりがいかにもドイツらしく、機能的で、ダサい。これをフォーマットにして毎回文字を入れ替えるだけなんだけど、僕はいつも、70/80年代とか堀内誠一さんとかのデザインと同じ匂いを感 じ取ってしまいます。

FilmMusik 19. Januar 2010.pdf

 

合唱表現の第30号が発売されました。
拙作の「おしえて下さい」から第5曲「すじ雲」が掲載されています。1曲目の「一本のすじ雲」に見える動機が変形して現れて、この曲以降組曲はよりドラマティックに進行して8曲目の終曲「おしえて下さい」へと続いていきます。

従って連載もこれから佳境、というところだったのですが、残念なお知らせが。

季刊の雑誌として8年にわたって精力的に情報を発信してきた「合唱表現」誌は、この第30号をもって休刊する事となりました。近い将来の再始動を願っていますが、それまでの間は拙作の残り3作を読者の皆さんにお届けすることができません。
特にこの組曲は連載時の解説でも触れていたように、「まず終曲ありき」で終曲に音楽の中心があって、他の曲は終曲の要素をスピンオフさせる事で作曲したものです。ですから、このまま一番魅力的(だと作曲者が思っている)部分を知られずに終わってしまうのは残念。

と言うことで、いずれ別の発表の場を得られるまでの間、ご希望の方には直接楽譜をお届けしたいと思います。ご希望の方は、「おしえて下さい」の楽譜希望と件名に記して、私までメールをお送りください。

既にプレミエが終わってしまいましたが、7月12日から8月16日までの間、ロットヴァイル室内劇場というところで上演されている野外劇「ロミオとジュリエット」の音楽を担当させていただいています。打楽器奏者二人のために書き下ろした音楽です。上演時間は2時間15分くらいでしょうか。

劇場のホームページ担当者がなかなか更新してくれないので、作品紹介のところにはクレジットがまだ載っていませんが、画面左のEnsembleというところをクリックしてもらえばTakaaki Horiuchiと載っているのをご覧頂けるでしょう。
http://www.zimmertheater-rottweil.de/

Rottweilというのはドイツ南西にある街。トロッシンゲンとシュトゥットゥガルトの間に位置する街で、フライブルクからだと電車で2時間〜2時間半くらいのところにあります。
小さな街だけど、とてもきれいな、観光に行くにもオススメの街です。
野外劇の舞台となっているのは、本来の劇場から少しだけ離れたところにある、見晴らしの良い丘の切れ目。鳥の歌声が豊かで、上演中に次第に夜のとばりが訪れる様は何とも言えず幻想的です。

ドイツ在住の方や、たまたま旅行でドイツを訪れる方は是非お運び下さい。8月16日までに22公演が予定されています。

公演日程はこちらでご確認いただけます。(いくつか移動公演もあるので注意です!)

ドイツ語ですがレビューも出ています。
http://www.nrwz.de/nrwz/theater/00027850

ところで、日本では「ロミオとジュリエット」として親しまれているシェークスピアのこの劇、ドイツでは”Romeo und Julia”と呼ばれています。ロメオとユリア。
ロミオ→ロメオくらいの変換は問題ないんですが、ジュリエット→ユリアの変換は、かなり受け入れるのに時間がかかりました。実際に作曲して、最後の集中稽古が始まった頃になってようやく自然と”Julia”が腑に落ちるようになって、初演が終わった今は逆に「日本語では何だっけ?」と1秒ほど思考が止まってしまいます。

18日土曜日18時からベルリンで新作の上演があります。Blind Spot – Klang in Film und Videoというイヴェントの一環。

僕はマルセル・デュシャンが1926年に撮った無声映画Anémic cinémaのためにサイン波だけを使って作曲しました。

会場は、Charlottenstraße 55にあるハンス・アイスラー音大のスタジオホール。入場料は4ユーロです。

詳細は、Klang-Film-Video-Festival „Blind Spot“から、Samstag, den 18. Juli 2009, 18.00 Uhrとなっているところをクリックして下さい。他の作品情報も出ています。

ニューヨークフィルのサイト。マゼールと録音した全集をダウンロード購入できるようになりました、という特別サイトなんだけど、(僕にとっては)音源よりさらに魅力的なコンテンツがありました。ページ上の右側にある薄汚れた肌色の画像をクリックしてみて下さい。Follow along in Mahler’s personally notated score as you listen to Mahler’s First.と書いてあるところ。ちょうど100年前の1909年12月16日と17日に、マーラー自身がニューヨークフィルを振って交響曲1番のアメリカ初演をしているんだけど、この楽譜はその時にマーラー自身が指揮のために使用した楽譜なんだそうです。じっくり読んだわけじゃありませんが、ざっと駆け足で全ページをめくってみたところ、書き込みは、指揮者がごく自然に楽譜を読む時のような、指揮するための覚え書きのような書き込みが殆どで、「振る時は指揮者として楽譜を読んでいたんだなぁ」という当たり前の事に改めて気づきます。この楽譜から「作曲者の自作自演」という事をかぎ取ろうとするなら、書き込みがむしろ少なめで端的である、という事実がそれを物語っていると言えなくもないのでは、というくらいでしょうか。一部では音符の書き換えも見られます。例えば35ページではファゴットの1、2番が書き換えられていますね。ただし、この程度なら当時の演奏習慣ではそれほど珍しくないだろうから、まだ作曲者ならではの痕跡と言うには弱い。この程度の小変更は他にも散見できます。作曲者ならではの書き込みだと言えそうなのは130ページでの2小節カット140ページでの小節ごとアクセント145-146ページでの結構大胆な音量変化この3カ所が特に目立つんじゃないかと思います。もちろんじっくり見て検討していけば他にも興味深い点がたくさん出てくるでしょう。楽譜と見比べて、ニューヨークフィル関連の音源聞き比べをしたらかなり楽しめそうですね。

マーラーのアダージェット(交響曲第5番4楽章)が日本楽譜出版社より出版されました。
http://nihongakufu.com/score/archives/5_4_1.php

交響曲のアダージェット楽章のみが収録されているこの楽譜ですが、僕は、原曲のハープ+弦楽版と一緒に収録されているピアノ編曲を担当しています。

弦楽器特有の息のなが〜い旋律をどうやってピアノで処理するかが課題でしたが、なんとか原曲の雰囲気を保ちつつ、なおかつピアニスティックな効果も併せ持つ編曲に出来たんじゃないかと思います。
それほどピアノが弾けない人でも楽しみで弾ける編曲であり、かつ、ちゃんと弾ける人が表情を施して弾けばステージにもかけられるような編曲であるように、と難易度を考えてあります。

マーラーの5番のスコアを既に持っている人はよくご存じと思いますが、交響曲5番全体はものすごい分量があるんですよね。だから既存の版は、減らせるものなら1ページでも少なくして印刷経費を抑えようという出版社&浄書家の執念すら感じさせるレイアウトになっています。利用者としては、楽譜を持ち歩きやすいというメリットもあるんですが、この第4楽章などはそのあおりを食らって、11分くらいはかかる曲なのに、たった5ページに、これ以上は出来ませんってくらい神経質に、縦にも横にもスペースを切り詰めて収められています。浄書をやっている目から見ればほれぼれするくらいの職人技が詰め込まれているんですが、この曲を勉強しようとしたときは、読譜のための苦労もかなり追加しなくてはいけなかったわけです。
曲はアダージェットなのに、楽譜は真っ黒でゆとりのない状態だから、目と耳がダイレクトにはつながってくれないんですね。

対するこの日譜版は、楽章抜粋のおかげでレイアウトもゆったりと、目に優しい楽譜になっています。
アダージェットだけ楽譜を読んでみたい、なんて人にはまさにうってつけでしょう。ピアノ版の方も、ぜひ弾いてみてください。

大型書店、楽器店などのほか、日本楽譜出版社さんからも直接購入可能です。

連載開始

東京電化株式会社発行の季刊 合唱表現 第27号から、混声合唱曲集「おしえて下さい」の連載が始まりました。全8曲あるので、今後複数回にわたって掲載予定です。
連載1回目の今回は第1曲「一本のすじ雲」、第2曲「空が」の2曲を掲載。

8曲の詩は全て矢沢宰の詩集「光る砂漠」から採られ、病床にあった彼の祈りが終曲に向かって高まっていくように配列、作曲されています。

第2南西ドイツ放送に(SWR2)、Klassik auf Klickという毎週月曜更新のPodcasting番組がある。
平均して30分ぐらい、定番曲から変化球までのレパートリーを、なかなか良い演奏でじっくり聴かせてくれるから登録してるんだけど、12月の放送でかかっていた作品が面白かった。

アーカイブがあるのでここから音源を聴けます。(※番組アーカイブはこちら

曲はHeinlich von HerzogenbergのStreichtrio F-Dur Op.27-2

全然知らない作曲家と曲だったからためしに聴いてみると、新しい時代の目線で古い様式を扱ったような作風。けれど模倣というわけでもなくて、独特な和音の連結や、やたら泰然とした(素朴、というわけでは決してない)間の作り方、(狙ってか狙わずか)どこに進みたいのかわからない、目的地点が読み取れないフレーズの作り方や、時々顔を出す、1小節前後のフレーズの繰り返し技法(レコードの針が飛んである2秒だけが繰り返されるかのよう)と、それらによって全体に漂う浮遊感。目新しさが全くない単語を、組み立て方によって一つの方言に作り上げてしまったような音楽には新鮮さも憶えました。

意外とモーツァルトやベートーヴェンあたりと同世代のような気もするけど、この曖昧な構成は古典派の時代に存在しない。マルタンやマルティヌーたち同僚世代の可能性も考えられるけど、20世紀の新古典様式はここまでほのぼのしていない。更に後の世代の、調性の臨界点とかゼンエイとかを全く意識せずに書けるようになった世代?・・・と考えてみてもどの推論もしっくり来ない。

で、調べてみると意外にも1843年生まれで1900年に没した人でした。オーストリア人で、ベルリン音大の教授も務め、最後はヴィースバーデンで活動したようです。ブラームスとも親交があって、ピアニストだったElisabeth婦人は、ブラームスが作品を公表する前に批評を伺うような信頼される存在だったとか。
http://de.wikipedia.org/wiki/Heinrich_von_Herzogenberg

検索してみたら、ヘルツォーゲンベルグ=ブラームスの書簡集を日本語訳して発表している人までいました。
http://blogs.yahoo.co.jp/fminorop34/folder/1485688.html?m=l&p=20
作曲家としてよりも、”ブラームスの伝記を調べると出てくる知人の一人”として受容されてきた人なのかもしれません。

1843年生まれと言うことは、同世代をざっと見渡してもムソルグスキー、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、グリーグ、リムスキーコルサコフやフォーレなんかが生まれています。ロマン派も一通り熟し、国民楽派が生まれたりして、それまでのクラシックにあった”正統”の書法が分岐して一気に広がりを見せ始めている時代。作曲家皆が、それぞれに新しく自分の音楽語法を生み出そうとしていた活気溢れる時代。上に書き出した作曲家は、作風の違いこそあれど、情熱に突き動かされて音符を書き連ねていったかのような音楽の集中力やほとばしりがある。「自分が次の音楽を作るんだ」という野望のようなモノが。

ところがヘルツォーゲンベルクのこの曲は、そういった野心とは全く無縁で、減税対策のために赤字前提で営業している駄菓子屋さんのような呑気さがある。僕は「ゆるクラシック」「ゆるロマン派」と名付けたいと思ったんだけど、ここまでのゆるさは、クラシック音楽の長い歴史の中でも他に例が思いつかない。
遅い音楽の場合でも、普通はもうちょっとは凛とした美しさをたたえていたり、ロマン派以降ともなれば切れば血が吹くような鋭さがあったりする。なのにヘルツォーゲンベルクの曲には、それがない。
作曲家史上最も悠々と生きられたはずのメンデルスゾーンだってここまでゆるい曲は書いていない。

アマチュアの書法かというとそんなわけでもなくて、よく書き慣れた、熟達した書法だと言うことはよくわかる。細かい書き分けも効いているし、弦楽3重奏だというのに不足無く良く響くように書かれている。真似しようと思って簡単にできるレベルでもない。
1楽章冒頭の2声にしても、ピチカートで始まったチェロに対して同じメロディのヴィオラがarcoで入ってくるような発想は当時なかなか考えられるモノじゃないんじゃないかなぁ。その後ヴァイオリンが入ってくる場面での「何も起こらない」引き算の書法も、ある意味スゴイ。普通ならチェロとヴィオラのメロディを引き継いで朗々と歌いたくなるところを、休符で埋めて焦らすなんて。

始終こういう心地よい裏切りがちりばめられていて、とにかく全楽章がゆるい。
動機の共通とか反復とか変容と言う事は実に巧みに行われているから、全体の統一感はある。

何度か聴いていると、このゆるさが心地よくなってきてしまいます。ちょっとやばい。

Naxos MusicLibraryで他に何曲か見つけられたのでさわりだけ聴いてみたけど、どうも他の曲は弦楽三重奏ほどの絶妙なゆるさが見当たらない。足りないブラームスになっちゃってる感じ。ゆるいことはゆるいし、かなりの頻度で弦楽三重奏と共通するリズム素材が配されているから、「ヘルツォーゲンベルク印」が刻印されているのはよくわかるんだけど。「ゆる曲度第1位」は今のところ弦楽三重奏の席です。

それでも他の曲の中に、最大級の「ゆる曲」が隠されている可能性があるので、興味を持って調べてみようかな。「交響詩オデュッセウス」Op.16なんて気合いの入ってそうなタイトルがあるけど、そういうのが伏兵だったりして。

スイスのドメインでこの人の公式サイトのようなものがあるんだけど、
http://www.herzogenberg.ch/
このサイトですらトップページに「ヘルツォーゲンベルクを紹介しても良いですか?」なんて書いてあるくらいだから、まだまだ知名度は高くはない。 

うまく紹介されれば、このゆるさがツボにハマる人は一定数いるんじゃないかなぁ。

「小管弦楽のためのCapriccio あばれ祭りに寄せて」が、北ドイツのシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭2008で、井上道義指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢によって演奏されます。その他の作品はチャイコフスキー、ショスタコーヴィッチ、アウアーバッハとハイドン。

8月2日は20時から、Norderstedtという、ハンブルクから電車で40分ほどの街で、
http://www.shmf.de/inhalt.asp?id=19581&Zeit=17:35:14&BesucherID=58335358

8月3日は19時から、Itzehoeという、ハンブルクから電車で1時間ほどの街で、
http://www.shmf.de/inhalt.asp?id=19588&Zeit=15:05:43&BesucherID=58335358

それぞれ演奏されます。会場やチケットの詳細は上記リンクでご確認下さい。

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