夭逝の瀧廉太郎の呪いなのかなんなのか(^_^;)瀧廉太郎のアレンジが予想外に手間取ってしまいました。書き始めてみたら規模が膨らんで、単純なアレンジの枠を超えてしまった、というのが現実なので、手間取ったというよりも計画性が足りなかった、と言うべきなのかもしれない。「荒城の月」は一番最初に書きはじめたのに、脱稿したのは一番最後。最初に持った着想にこだわり過ぎて、うまくまとめられなくなったんです。最終的には、その着想を捨てることでどうにかまとまりました。楽譜を書いていると、小さなアイディアがポツポツと出てきて、それをうまく組み合わせられるように考えて行くわけですが、浮かんだアイディアは無駄にしたくないと言う哀しい貧乏根性のおかげで収拾がつかなくなることが良くあります。捨てる勇気が大切だってことは、言葉としては理解しているつもりなんだけどね。でもなかなか実行には移せません。最初に湧いた直感的なインスピレーションをありがたがりすぎているのかもしれないなぁ。勿論、一面では最初の閃きのようなものがイメージを助けてくれて、地道な作業からは生まれない発想を作ってくれることもあるんだけどね。取捨選択をうまくやれるようになりたいもの。おかげで鈴優会のみなさんには大変迷惑をかけましたが、でも初演は良くなりそうな予感です。ハーモニー感覚が抜群です。初見でも相当たしかな音楽を作ります。僕が言葉や身ぶりで少しサポートするだけで、音楽の構造や流れ、イメージを、つかんで描きわけるような引き出しもあります。本番の程良い緊張感の中で、どんな音楽を聞かせてくれるか。脱稿した側としてはわくわくして楽しみにステージを聴きたい一心。演奏する側はそれどころじゃないと思いますが。ごめんなさい。作品を委嘱するのは初めての体験、と仰っていましたが、世の中僕みたいな作曲家ばかりではないので、「作曲家」のイメージを僕基準にしないようにお願いします。(笑)「委嘱」ってのは多かれ少なかれスリリングな経験にはなりそうですけど。σ(^_^;)瀧廉太郎の曲は、ただ和声付け(単純であれ、コったものであれ)しただけでは、今日的感覚で新たに楽しむのにちょっと無理があるように思えたので、編曲の作戦として、原曲のメロディを尊重しつつも全く違う要素と結びつけて新しい世界に置いてみる、というやり口を主に使いました。トランスクリプションではなく、殆ど作曲ですね。お知らせが直前になってしまっいましたが、日曜の2時から、都合の良い方は是非是非こまばエミナースまでおいで下さい。他のステージの曲も充実した演奏が楽しめそうですよ!混声合唱団 鈴優会 第13回定期演奏会2003年12月21日(日)13:30開場 14:00開演こまばエミナースホール(京王井の頭線『駒場東大前』駅 徒歩6分)入場料¥1,800(全席自由)第1ステージ『Te Deum』KV.141 W.A.モーツァルト第2ステージ『瀧廉太郎の6つの歌』 堀内貴晃 編曲(委嘱初演)I. 荒城の月 II.雀 III.ひばりはうたひIV.秋の月 V.お正月 VI.箱根八里第3ステージ『昔の踊りうた(L.バルドシュ)』『谷茶前節(瑞慶覧尚子)』『ムダンサス(O.エスカラーダ)』『春の声(J.シュトラウス)』第4ステージ『どちりなきりしたん』 千原英喜指揮:名島啓太 ピアノ:太田由美子ゲスト出演:飯塚友浩(ダンス)
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