コンサート

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丸々一日外出。久しぶり。午前中に関わっている合唱団の練習@文京シビック。ダウランドのcome againほかを練習。小品ながらも奥行きが見えていい曲です。その後四谷区民ホールの創る会の演奏会へ。(招待券がまわってきたので。)ところがちょうど赤坂見附駅で火災発生だとかで、遠回りを余儀なくされてしまいました。1時間近くもかけてようやく新宿御苑に到着。創る会の演奏会は何年かぶりに聴いたけど、予想以上に面白かった。北爪作品(久しぶりに大学合唱団で理解度の高い演奏に出会いました。)や山本作品も面白く聴いたけれど、近藤作品が出色の面白さ。サッフォーと現在の違和感の無い同居が心地よかった。失礼ながら、臨時編成で、あまり能力の高くない合唱団だとは思うけど、それでも音楽が面白く聴けるのは、指揮者のなせるワザなんだろうな。いろいろと刺激を持ち帰りました。こういう活動に情熱を持つ人がいてくれるというのは大切なことです。コンサート後はペーパーアイテムを選ぶために表参道のwinged wheelへ。初めて行ってみたけど、思ったような商品が見つかって満足。サンプル用にたくさん買い込んできました。一部からバラ買いできるのが嬉しいところです。筆無精なくせに、いずれ専用のレターヘッドとか作ってみたくなるなぁ。このお店、行ってみたらなんとNADiffのごく近くではありませんか。嬉しくなって、NADiffにも何年かぶりに寄ってきました。以前はここで現代音楽のCDやら楽譜やら美術関連の本なんかを見つけて買っていたものです。懐かしい。思いっきりフォーレのレクイエムなんかが置いてあったのにはちょっと驚き。前は「ど」クラシックみたいなのは置いてなかったような気がするんだけどなぁ。方針変えたのかな。澁澤龍彦関連書が充実しているあたりは相変わらずだけど。ちょうどサマーセールだとかで、売れないCDを500円で売っていたので、その中からクセナキスのサックスカルテットだとか、アンサンブルモデルンが演奏したユン・イサンの作品集だとかを掘り出してきて購入。僕の運は殆どワゴンセールで使い果たしているのかもしれません。現代音楽のCDを買った時特有の期待感を胸に帰宅。さて買ったモノはアタリかハズレか。

今日は久しぶりにオーケストラのコンサート。新日フィルの定期演奏会に行ってきました。気がつけばサントリーホールに行くのも久しぶり。半年ぶりくらいかなぁ。今年はサントリーサマーフェスティバルもなんだかんだで行きそびれたので、本当にひさしぶりの溜池山王下車でした。で、新日フィルのコンサートに足を運んだ理由はプログラム。マルティヌーの交響曲6番と、クルタークのQuasi una fantasia、それからベルリオーズの幻想交響曲というプログラムだったからです。みなさん御想像のとおり、僕の目的としては1番)クルターク2番)マルティヌー3番)ベルリオーズという感じで足を運んだわけですが、聴いたあとの印象は1)ベルリオーズ、2)クルターク、3)マルティヌーという感じかなぁ。どれももちろん面白いには面白いんだけど、クルタークはその特徴である静謐な音響が他の作品(例えばミクロコスモス、古の幼子の声など)ほどに際立っていない事や、作品自体の規模の小ささ(おそらく、時間経験としてかなり長い間聴感覚を惹き付けないとクルタークの魅力は発揮されない)などに理由があってどこか入り込めない要素があったんでしょう。ただ、実際の演奏でクルタークに接したのは初めてなので収穫は多かったです。マルティヌーは面白いし、精神分裂みたいな楽想の展開がどうも普遍的ではないような気がします。個々の発想や音響としてはとても面白いし、興味深いんだけど。時間感覚が何か違うなぁ。きっと、この時間感覚がちょうどハマる人にはとても面白いんだろうけど、少数派じゃないかな。いや、もちろんそれでも面白かったですよ。東欧の作曲家独特の節回しは、個人的には大好きなんです。ベルリオーズはもちろん時代様式的に一番古いです。が、様式の中での語法の熟練度はやっぱり抜きん出ているし、(当時における)実験的な試みもたくさん。おまけにキャッチーな音響にも溢れています。やはり名曲と呼ばれるだけの理由はあるのかな。生で聴いてみると意外な程に面白かった。語法や技法を越えたところにある魅力の秘密を、もしかするとこの曲から見つけられるかもしれない。自分で良い曲を目指すのも大切だけれど、やっぱり過去の名品への適切なリサーチも必要です(きっと)。そんな意味で収穫の多いコンサートでした。もちろん、エラソウなこと言う前に自分の曲で示せ、ってのは当然ですね。頑張らねばいけません。ベルリオーズだったら来年(27歳)に幻想交響曲を書いてるわけですからねぇ。

すみだトリフォニーまで行って新日フィルの定期演奏会。モーツァルトのピアノ協奏曲21番とマーラーの4番。特に何箇所かで、神がかったような美しい音色でPPの和音が響いていた。木管群の活躍なのかな。ああいう音色を想定するなら、ごちゃごちゃ音を動かさなくてもひとつの和音だけで勝負しようと思えるのかもしれない。新日フィルは時にそうした側面を見せてくれるオーケストラだと思う。

東京に雪が降った!12月もまだ上旬のうちに降るのはなんと15年ぶりだそうで・・・なんて感じで始まっている日記を書いている人はきっと今日は多いんでしょうね。僕も長いものには巻かれろ式にそうやって書き出してみました。(笑)1センチ積もっただけでも東京の交通網は大変なことになったようです。雪の降る地方に育った者としては少々の驚きも禁じ得ませんが、生活する上での慣れとか対策っていうのはそういうものなのでしょう。滅多に降らない雪相手にあまり対策予算を割くわけにもいかないんでしょうね。先週のN響定期はなかなか良かったです。当日券を買う段になって25歳以下なら学生でなくても安くチケットを買えることを知って得した気分。1520円であの演奏が聴けるならまぁ御の字ですね。ストラヴィンスキーの数々の作品の中でもとりわけペトルーシュカが好きだということを再認識した次第。オーケストラの冴えが聴く度に新鮮な印象を与えてくれます。バルトークの中国の役人については新情報発覚。昨日しゃー君から聞いたところ、フィルハーモニア版のスコアの中身が新しくなっているらしい。読んだことのある人ならきっと誰もが苦笑していた、あのタテヨコ切替え方式が消えて、普通に読めるものになったらしいのだ。これは朗報。もしかするとそのためだけに新しく買いなおす価値があるかもしれない。だってよりによってやたら速いところでタテヨコが切り替わるから読んでいると落ちる落ちる。(笑)しゃー君、有益な情報をありがとう。夏に書いた合唱曲の校正が戻ってきました。校了して返送したのは良いけれど、これから解説文を書かなくてはいけない。不特定多数の人が読む文章であることを前提に、僕自身が作曲にあたって持っていた想いをひとつの問題提起として書いておきたい中身もある。ワカゾーが何を、と思われないように配慮もしつつ(^^ゞうまく書きたいところ。演奏上の留意点なんていうのも書くのが難しいですね。たとえば「楽譜に忠実に」なんてことを書いたとしても、そこから表情のない音楽を目指し始める人だっているだろうし、逆に「楽譜に書けなかった表現を補って」なんてことも迂闊に書くと全く僕の願いとは裏腹なことになりかねない。相手の顔が遠くなれば遠くなるほどこうした誤差は生じやすくなるだろうし、対象を下手に幅広く捉えてしまうと、結局のところ誰のところにも届かない言葉になってしまうかもしれない。普段書きなれている楽譜というものがそう言った意味で非常に曖昧なものだというのに、より不慣れな文章で適正な居場所を見つけて書くなんて、僕には至難のワザです。と言いつつも一週間後の締切り目指して兎にも角にも800字を埋め始めるのでありました。乱文失礼。それではまた。

相模原市民文化祭という催しの中で相模台グリーンエコーのみなさんが無伴奏混声合唱のための「野菜畑のソクラテス」を取り上げてくださるというので生まれてはじめて相模原まで出かけました。小田急線はせいぜい新宿から代々木上原までくらいしか乗ったことが無かったので結構新鮮な感覚。うちの最寄駅からたっぷり1時間くらいですが、今日は出かけてみて良かったです。楽しかった。相模原はどうやら昨日今日と、地域一体になってお祭りだったようです。駅前から伊勢丹にかけての5分ほどの距離にとても活気が溢れていて今の不況もどこ吹く風、という感じ。また機会をつかまえて行ってみたい所です。野菜畑のソクラテスはコンクールの審査の時に非公開で演奏されたあと、一部が雑誌に載っただけなので、(僕の把握している範囲では)今回が公開の場での最初の演奏。ユーモアと言うか、諧謔のある詩に付曲しているのですが、今日の演奏中に客席の一部で笑い声が上がっていました。僕は全然予想しないで作曲してしまっていましたが、そういえば予備知識なしに聴くお客さんにとっては笑い所がある曲なのかもしれませんね。かぼちゃの歌が始まったと思ったらいつの間にか罵詈雑言の連発になったり・・・。(^^;)予想外のところに効果があったりするもんですねぇ。演奏も素敵でした。あまり時間が無くて団員のみなさんと存分に話して来れなかったのが残念ですが・・・。日本語のディクションの問題や、ハーモニーのピッチを合わせる問題、そこから派生して響きの色を変えていく問題、などなど、合唱を聴かせていくために必要な課題を乗り越えてホールを柔らかい雰囲気に包んでいたのが印象的でした。またチャンスがあれば是非ご一緒したい団体です。帰りに池袋のヤマハによっていくつか歌の楽譜を購入。フニクリフニクラの編曲用に、そもそも原曲の楽譜を持っていない!という大問題に気付いたため。何種類か出版されているようですが音楽之友社の世界の名歌集I(1500円)というのを見つけて買ってきました。他にもいろいろ名曲の類が載っているのでこれから他の曲の編曲を頼まれても大丈夫!(変な楽譜はいろいろ持っているくせにメジャーな曲を持っていないことが多いのです(^^;)やっぱり原譜は見てみるものですね。僕はてっきりフニクリフニクラは4分の2拍子で付点8分音符+16分音符のリズムだとばかり思っていたのに、原曲は速い8分の6拍子でした。サルタレッロになるんですね。(多分)改めて楽譜を見てみても、やっぱり良い曲です。メロディそのものが良いというよりも、盛り上げて行くための構成が立派。最後に繰り返しをしているところで何のアイディアも無いのがちょっと残念ですが、他はとてもいいなぁ。これなら歌っていて気分が良くなるのも頷けます。シェーンベルクやカセッラ、リヒャルト・シュトラウスはCDを探してみましたが見当たりませんでした。時間の関係もあるので今回は断念。一体彼らはこの曲に何を施しているんでしょう。いずれCDが手に入れてみたいところ。ヤマハで配布している国内版・外国版楽譜音楽書展望というフリーペーパーが意外に充実しているので時々気がついたら読んでいます。今日もヤマハに寄ったついでに貰ってきたんですが(10月号)林光さんのエッセイが面白かった。演奏会のプログラム(曲目ではなくて紙媒体のモノのこと)に触れつつ三人の会の事にも触れてありました。三人の会(團伊玖磨・芥川也寸志・黛敏郎による作曲家同人)のことは存在は知っていて、その活動のアウトラインくらいは把握しているけれどさすが、同時代の証言は歴史書とは違います。今まで全く予想もしなかったけれど、そうか、この3人の集団となると日本(もしかすると世界)?作曲史上初の〈裕福な〉作曲集団だったんだ!というどうでもいいような、しかし大切な現実が赤裸々に実例を織り交ぜて綴られています。興味のある方は早めに入手してみましょう。このエッセイは毎号読ませてくれます。

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