合唱作品で有名な作曲家Sさんの女声合唱の作品を浄書。今日(9日)が初稿の仕上げ約束だったのにかなり手間取ったので徹夜仕事になってしまった。楽譜が結構細かく書き込まれていること+拍子記号の書き方が特殊なので作業の手間がかかるんだよね。なんとか夕方には仕上げて納品してきました。これから校正を経て修正、仕上げ、最終稿納品という流れになっていきます。僕くらいの作曲だけじゃあとても食べてなんていけないから、こういう楽譜まわりの仕事で副収入を得つつ生活してます。浄書の方が確実な評価を得られていたりして、笑うに笑えない状況になりつつあったりもするんだな。作曲でもっと評価されなきゃなぁ。納品のついでに、この間浄書したフルート曲(別の作曲家Sさんの作品)の見本も頂いてきました。もうじき店頭に並ぶでしょう。こうして自分が関わったモノが、(他人の作品であれ)カタチになって出来上がるのはやっぱり嬉しいものです。僕の見入りには全く関係ないけど、良い曲なので、売れてくれるといいなぁ。
「アメリカインディアンの3つの詩」というタイトルはどうもマスコミ的にはヤバイ(インディアンが差別用語と取られかねないらしい)ということが判明してからは「アメリカ先住民の3つの詩(仮)」として作曲作業をしてきたけど、このタイトルじゃ、どう考えてみても詩的魅力に乏しい。「インディアン」という単語で多くの日本人の脳裡にワッと広がるイメージが、「アメリカ先住民」という単語には無いから。そこで何か良いタイトルは無いか〜とずっと考えていて、最近やっと一つのアイディアが出てきました。ある絵本のタイトルから拝借してメインタイトルを「おれは歌だ おれはここを歩く」としましょう。でもこれだけじゃいったい何の曲かわからないのでサブタイトルとして「〜アメリカ先住民の3つの詩〜」としようと。これである程度の詩的な魅力と現実的な対応の両方を実現出来るんじゃないかな。これからまわりの人に相談して、反応が良ければ正式タイトルとして決定します。
『アメリカ先住民の3つの詩』の作曲。3曲ワンセットを考えているのだけれど、冒頭をどのように始めようか迷う。2曲目、3曲目のプランや、いくつかの山場のアイディアは見えているんだけど、それに見合う1曲目をどのようにまとめようか。ああでもないこうでもないと思い付いたものをスケッチしまくった一日。コレ!というネタが出てきたら書き進めたいんだけどね。どうもインパクトに欠けるネタしか出てこないんだなぁ。はやくとりまとめて楽譜を渡してしまいたいのだけれど。もう少し我慢。全音楽譜出版社のホームページが、年明け頃からずっと緊急メンテナンスになっていて見れなかったので心配していました。この御時世、楽譜出版社が順風満帆なんて話はまず聞かないし、(僕が確認しているだけで)一カ月以上もホームページが停止状態だなんて、もしや一大事でもあったのかと思ったんですが、さっき見たら復活してました。一安心。無事に復活したってことは純粋に技術的な問題だけだったんですね、多分。(そう信じたい。)新刊予定のところをみたら、2月の出版予定に三善晃「響紋」のピアノリダクションなんてのが載ってました。3月の再演に合わせた出版なんでしょうね。このタイミングだと、最低でも児童合唱団の人数分は売れるし(もちろんお客さんの中にも興味を持って買う人がいるだろうし)、うまくすれば練習中に見つかったミスも原稿に反映出来るわけで、こういう部分は全音さん、実にうまいです。商売なんだからタイミングを見計らうのは大切でしょう。手書きではなくて浄書譜での出版だったら、既に出版されている原曲オーケストラ版の印刷の薄さに苦労した人たち(僕含む)にとっても朗報と言えます。このまま勢いに乗って、さらに印刷が見にくいレクイエムとかもリダクションを出してくれないかなぁ?ビジネス的にリスキーなのは重々承知だけど、ついでにここ数年の、一連の管弦楽作品のスコアも出して欲しいなぁ。出たら買うのに。
今は、5月に初演予定の曲のことで頭がいっぱいです。日本語訳されたアメリカ先住民の民族口承詩をテキストにしようと思っています。あくまでテキストとして素材を求めるだけなので、民謡の作編曲とは全く違うものを計画しているのですが、ふと気がついてみると、僕はアメリカ先住民の音楽を殆ど聴いたことがないではありませんか。テキストには音楽と密接なものも含まれているのに、これではいかんじゃないかってことで、急遽CDショップのワールドミュージックに行ってみたものの、なかなかないんですね、アメリカ先住民の音楽が。そもそもワールドミュージックのコーナー自体が狭くて、小さいお店だと女子十二楽坊程度しか置いてなかったりします(笑)大きめのお店に行ってみると、ワールドミュージックは充実しているように見えるんだけど、なぜか北米地域の音楽は殆ど扱いがない。中南米(いわゆるラテン系各種)とかハワイ(高木ブーも発見!)は大変な賑わいなのに、北米はコーナーすらなかったり。結局、池袋のタワーレコード、WAVEとHMVでは発見できず。渋谷のHMVまで足を運んでようやく見つけることができました。レーベル名すら書いていない、あやしげな3枚組2000円ほどのCD。ポルトガル製。いろんな部族の歌が入っているみたいです。というわけで、苦労の末に入手したCDをこれから聴いてみます。これから書く作品に影響があるかどうかは、出来上がってからのお楽しみ。
みなさん、TOTOべんきのうたってご存じですか?ホームページを見ても良くわからないのですが、どうも自然発生的にできた歌のように説明されています。(ということは立派な民謡??)実は、ひょんなことから、この曲をチェロとピアノに編曲することになってしまいました。(-。−;)どうやらTOTOが主催するコンサートの中で演奏するらしいのですが、依頼者からは「そのままアレンジするのではなく、もっといろいろアイディアを盛り込んで賑やか楽しい感じで」って頼まれました。・・・原曲には単なる掛け声の部分もあるわけで、依頼に応えようとすると、チェリストに「TOTOべんきのうた、歌ってみよう!」とか叫ばせなくちゃいけないんじゃないかと危惧しているんですが、それは僕のせいじゃないからなぁ。在京プロオケのチェリストにそんなこと言わせるのは大変気が引けるんですが、ごめんなさい。これも仕事です。許してください。というわけで、締め切りはまだまだ先なのですが、面白いのか気が重いのかよくわからない仕事をひとつ、引き受けてしまいました。いったい世間一般にはどれくらい認知されているのかなぁ。コンサートの時に誰も知らなくて浮いてしまうのが何より心配です・・・。
一日遅れで年賀状の当選番号の確認。今年は切手シート6枚獲得です。大体毎年切手シート2〜3枚がいいところだから、大躍進です。当たりの年賀状を送って下さった方、他の人より多めに今年一年の幸せをお祈りします。(笑)生まれてこの方、切手シート以外が当たった覚えがない。もちろん連番で印刷しているんだろうから、どこかに上位賞品を獲得している人はいるんだろうけどさ。人様から頂いた年賀状に、さらに何の高望みをしているんだという気持ちもあるけど(笑)、それでも当選を淡く夢みてしまいます。
ひゃぁ。気がつくともう10日も経過してるなぁ。時の経つのは早い!今日は阿佐ヶ谷まで行って連句アニメーション 冬の日ってのを観て来ました。今日が最終日。なんとか間に合って良かった。上映していたのはラピュタ阿佐ヶ谷という建物で、よく古い名画の連続上映とか、いろいろ面白そうなことをやってます。何年も前から気になっていたけど、実際に行ってみたのは今日がはじめて。サブカルチャーの匂いに満ち満ちていて、こういうの、僕は好きだなぁ。外見からしてかなりイっちゃってますが、阿佐ヶ谷にあるからか、さして周囲から浮いているというわけでもない。晴れた日曜日の午下がりにこのあたりを散歩したら気持ちいいだろうなぁ。さて、目的の「冬の日」。連句アニメって言うからには複数のアニメ作家さんが分担して作っているんですが、う〜ん。違いを楽しむって意味では面白いんだろうけど、クオリティの違い(作風のベクトルではなく)がありすぎて、中だるみは否めません。それぞれにハッとするような美しさはあるものの、それが持続や深みにつながっていかない・・・。冒頭の、ノルシュテインさんの担当部分が壮絶な美しさで期待を持たせるだけに、その後の展開が残念。・・・というのを素人目に感想を持ったわけですが、こういうのは専門の人はどう見るんだろう。もちろん技術とかコンセプトが凡百のテレビアニメと一線を画しているのはわかるんだけど、それを突き抜けたところにある根本的な訴求力を持った、もっと高水準な芸術性に行きついて欲しいな。それが簡単に乗り越えられるような壁ではないことは想像つくんだけどね。連句の中にひこねのりおさんという作家の作品が入っています。これを観て「あっ!カールのコマーシャルの人だ!」なんて思ったのが身近で嬉しいオドロキ。あまりに見慣れたためか、無意識に誰でも書けそうな、無個性な絵柄かと思い込んでいたけれど、あれはあれで強い個性なんですね。はっきりとした刻印があります。はじめてカール以外のキャラクターと背景を観ました。いろいろ思うところはあるけれど、でも滅多にお目にかかれなそうな、こういう作品をちゃんと鑑賞できただけでも満足。明日からは京都での上映をはじめ、西日本で見れるみたいですね。西日本の方は行けたら観てみて下さい。
今年最初の日記。年賀状が今年は遅れに遅れました。今日、やっと最終便を送ったところです。2日になってからようやく宛て名を書いているくらいなので、遅過ぎですねぇ。遅くついたみなさま、全く他意はないのでご了承ください。原因はといえば、年末から引きずった楽譜の仕事。おかげで大晦日も元旦もモニタを睨みながら音符を入力していました。合間にちょっとずつ作曲のメモをとったりもしていたけど。これほど正月気分と縁遠い気分で新年を迎えたのは初めてです。やっぱり年末までに一区切りつけないと、気分も切り替えにくいものなんですね。3 日にはピアノ伴奏の仕事をして、意気消沈。練習までは一度も間違えたことのないようなところを間違えたり、さんざんやらかしてきました。この本番に対する弱さは何なんでしょう。精神の弱さなのかな。演奏家の方々は、本番の緊張をいい方向に活かして、ステージ上でも普段通り、あるいは普段以上の演奏ができるんでしょうが、僕はそんなことができた試しがない。下手すると練習で初見で弾いた時の方が良かったりするかもしれないくらい。技術的な問題はもちろんのこと、この精神的な問題を克服できれば、もう少しナマミの音楽にも関れるだろうになぁと夢みます。「作曲家ってピアノとかすごい上手なんじゃないですか?」なんて、今までにもたくさん言われてきましたが、そのイメージは大きな間違いです。ピアノもできない人間は作曲家とは言えない、っていうなら、この言葉は真実なんでしょうけど。もちろん人並みに、あるいは人並み以上に相当素敵なピアノを弾く作曲家もたくさんいます。だけどその一方で、ピアノが得意ではない作曲家もいるわけです。結局は人それぞれ、ってことでしょう。勿論、弾ける弾けないは、その作曲家の作品や音楽観に大きく影響しているとは思います。はぁ、うまくなりたい。
今日は、3曲の編曲のうち2曲を仕上げ。あと残り1曲と、年内締め切りの仕事が少々。それが終わったら年賀状に取りかからないと。毎年の事ながら、ギリギリになってから慌てます。晩御飯に作ったチキンシーフードカレー(?)が思いのほかおいしく出来て満足。
最近 openArtというサイトを覗いてみてます。大量にプリントしている間に一本見てみたり。無料だけど、どうしてなかなか、佳作が見つかります。(勿論素人視点で見て、なんだけど)村田朋泰氏の「朱の路」はパペットアニメ好きには何とも言えず落ち着く世界。ピアノを弾く指が、ちゃんと音とシンクロしてるのは、音楽やってる人間としては嬉しいポイント。その辺で残念に思う映画とドラマってたくさんありますからね。シンクロだけではなくて、音の使い方も素敵。ちょうど真ん中あたりの部分で、バラバラに弾かれていた音がメロディにつながっていくところなんか、実に素晴らしいうつろい方。こういう音楽は、映像と一緒に聴こえてくると俄然輝き出しますね。永田ナヲミ氏の「注文の多い料理店」は宮沢賢治を映像化した作品。十分知っているストーリーを、飽きさせずに見せてくれます。テンポ感がカギなのかな?こういうタッチが嫌いな人はきっと嫌いなんだろうけど、僕は大好きです。この匂い。シュワンクマイエルのドン・ファンを思い出しました。原作の方はたしか小学校の国語で読んだような気がするんだけど、今にして思えば、よくこんなブラックな話が教科書で読めたなぁ。宮沢賢治って、意外にもシュールなところを持ち合わせてますね。…と、ブロードバンドの恩恵を感じている今日この頃。