小石川にある印刷博物館に行ってヴァチカン教皇庁図書館展を見てきました。古い写本の綺麗なことと言ったら!!しばらく時間を忘れて見入っていました。宣伝もあまり見かけないし、テーマがテーマだからそんなに客入りは良くないのかと思って出かけたけど意外に客入りが多くてびっくり。(僕の興味はキリスト教のことよりも、本や印刷の歴史の方にあります。)もし興味のある方がいらっしゃいましたら21日までです。是非。印刷博物館は凸版印刷さんが運営しているようです。トッパンホールと同じ建物に入っているんですねぇ。これでも一応音楽やってるんですが、トッパンホールにはまだ一度も足を運んだことがないのに先に印刷博物館に行くことになって、少し後ろめたい気持ちも芽生えました(^-^;#アルディッティSQは予定が被って聞き逃したし・・・活字、組版、印刷、活字・・・なんて単語に興味のある方なら何回か訪れても楽しそうです。僕も、もう少し空いている平日にでもまた出向いてみます。活版印刷体験コーナーで遊びたい!
少し時間が取れたのでひさびさにシェーンベルクの室内交響曲を聴いた。取り寄せていたスコアが何日か前に届いていたものの、しばらく開く暇がなかった。(たかだか3、40分のことだというのに・・・(^^;)学生の時、この曲の冒頭に出てくるエンハーモニック転調と完全4度で上行するモティーフが大好きだったことがある。(これは曲中で姿を変えて、何度も印象的に登場してくる)特に練習番号77の、弦のハーモニクスから管楽器の和声に受け継がれて行く部分が好きだった。他の部分はかなり濃密に書かれていることもあって大好きな音楽、というわけでもなかったけど(単なる趣味の問題)それでもあのエンハーモニックを聴きたくて何度も何度も聴いたものだ。シェーンベルクの楽譜は総じて高くて、前は図書館で眺めるだけだったのが、最近Doverからかなりの廉価で出始めている。シェーンベルクが廉価で買える、というのも時代ですねぇ。室内交響曲を聴いているうちにピエロも聴きたくなったので月に憑かれたピエロも久々に聴きなおしました。やっぱりいい曲。学び取りたい書法がたくさん盛りこまれている。
ハープのリダクションスコアは締切りまでにちゃんと間に合って完成。(^^)とりあえずは依頼者にも喜んでいただけたようで嬉しいです。でも、楽譜ですからね。演奏してみたら問題が浮かび上がって来る、ってことのないように願うばかり。(^^;)別の方から面白そうな依頼を受けた。子供用の合唱曲を書くことになるかもしれない。テクスト探しが、子供用の曲では大変になるだろうな。教育的配慮も必要になってくるはずなので、今ゆっくりあたためているシュールな詩は使えないだろうし。依頼されたものとは別に、計画していたり、いくつか音符を書いてみている曲もある。7月、8月にはなんとか生活の方をやりくりして、書きたいものを作曲する予定。
今日は一日ハープのリダクションスコア作成に没頭。ただ、途中お昼頃だけは、用事があったので中断して江古田まで自転車を飛ばしました。どうせ誰に会うわけでもないし・・・とタカをくくってたのでぼろぼろの格好で。ひげもそってないし。用が済んで、お昼でもどこかで食べようかと駅の周辺を自転車でぶらぶらとしていたら呼び止められた。振り返ってみたら和声の生徒さん。(^-^;「こんなところで何してんですか!!」と開口一番に言われちゃいました。アヤシゲに見えたのかもしれません。外に出るときには最低限の身繕いくらいはしておいた方がいいんですねぇ。(^^;)反省。今日も基本的には一日をハープリダクションスコアの作成。分量があるのでやってもやっても進んでいかないような感触がある。それでも近代フランスの佳品は(超一級の曲で無くとも)楽譜から聞こえてくる響きが美しく、決して作業に飽きるということはない。最近はそうでもないが数年前、とにかく近代フランス音楽の響きに心酔していた頃を懐かしくも思う。結局あの時は響きに身を任せる喜びに目をくらまされていて、本質的なことを見逃していたような気もする。(それはそれで幸せな音楽経験になっているけれど)合間に少しインターネットをしていて、たまたま輸入楽譜を扱っているページを見つけた。→http://www.musicking.co.jp/なんと設立から10年以上も経っているようだが、今まで全然知らなかった(^^;) 川越に店舗もあるみたい。何気なくカタログを眺めてみたらまたこのマニアックなこと!武満徹がないのに篠原眞の楽譜を扱っていたり、シェルシあり、シュトックハウゼンあり、リゲティなんて71冊も取り扱い中。おまけに値段も総じて安め。(高めのものもある)今度何かを取り寄せてみようかな。その前に川越の店舗まで足を伸ばしてみようかな。他の某楽譜屋さんも店舗移転に伴なうセールをやっているらしい。今月はお金がかかって大変。(^^;)
ここ3日ほどでけっこう環境が変わりました。その1部屋の模様替え。大きな棚をひとつ買って、行き場の無くなっていた楽譜と本を収納。勿論棚ひとつくらいで収納できるものじゃないけど、いままで手足を伸ばしてやっと1冊のスコアを取り出していた状況に比べると、資料の大部分を俯瞰できて手を少し伸ばせば取り出せる、というのは(当たり前なんだろうけど)大分快適な環境です。パソコンもいままでけっこう場所を取る場所に置いてあったのを少しスッキリと配置しなおせました。これでパソコン譜を作る時にも多少快適に作れるようになるでしょう。あとはムトウに注文してあるすき間ワゴンが届いてCDの収納が飛躍的に良くなれば、今回の模様替えも一通り完成。その2プロバイダの乗換え。いままでのSo-netがなぜかだんだん重くなって、最近ではダイアルアップするだけでも接続できないことが増えてきました。日中の空いていそうな時間帯でもメールをチェックするために10分以上も待つことがあるんです。楽譜のデータを画像でメール添付してやりとりするような機会も増えてきたのでこの際ADSLに乗り換えようと思って、容量の大きかったDTI に乗り換えました。皆さんのアドレス帳やお気に入りの再設定をお願いすることになってしまいますが、申し訳ございません。m(__)mNTTの局から遠いのであまりいい速度は出ていないけど(^。^;) さすがにいままでよりは快適です。しばらく更新をサボっていましたが、またちょこちょこ書いていきますので今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
吹奏楽の編曲を発送。フルスコアでA3のものをうっかり宅急便で発送したら80センチサイズにされて高くついてしまった。850円なり。迂闊。郵便局で速達を出していればもう少し安くできたのにな。どっちで出しても届くタイミングはほぼ同じ(はず)。前に逆のパターンで、郵便局で出した速達が大坂まで3日もかかってしまって先方をやきもきさせたことがある。今は宅急便の方がおおむね早いみたいだけど、コストを考えると全てを宅急便で送ってしまおう!とまでは踏ん切れない。数日早く仕上げてゆっくり郵便(普通便)で、というのが一番安くつくはずなんだけど世の中うまくできていて、余裕を持って楽譜が出来ることってあんまりないんですよねぇ(^-^;
以前に書いたピアノリダクションスコアの作成を引き受けることにした。ハープと弦楽のための室内楽曲。15分程の曲。40ページ強あるから単純作業としても結構なボリュームになります。勿論単純作業と割り切るわけにもいかないし。なるべくいい音楽を作れるように努力したい。締切りは来月のはじめの方。集中して一気にやれるタイプの作業でもないので毎日着実に少しずつ進めていく方がいいでしょうね。毎朝の日課のつもりで取り組んでいこうかな。依頼者の方と初めて電話でお話したけれど、とても感じのよい方で一安心。やはり同じ作業をするにも、一緒に作業を進めていきたい!と思える人の方が気持ちを傾けられる。それは音楽的な相性は勿論としても、それよりむしろ人間的な部分に負っているような気がする。当然その分、僕自身が人から判断されているということもあるのでやっぱり常にちゃんとしていたいです。まかり間違ってちょっと偉くなったとしてもふんぞり返らないようにしないといけませんね。その前に偉くなれるだけの努力をしないとふんぞり返るだけの余裕も持てませんが(^-^;
頼まれている吹奏楽編曲を進める。ごく短い曲。吹奏楽くらいのパート数になると清書は必然的にパソコンで、ということになってくる。パート譜も作らなくちゃいけないからね。吹奏楽を書くのも久しぶりなので吹奏楽用の五線のテンプレートを作り直したりして時間がかかった。パソコンのファイルと言えども毎日使っているとどんどん各種設定は進化していく。編曲しているのは某高校の「応援歌」という曲で、校歌や社歌なんかによくあるタイプの曲。そして今回の曲はだいぶ古い曲のようで(戦後すぐとか、そんな感じだろうか)、時々ピアノ伴奏の和音が不思議な音になっている。(これもわりとある状況)とはいえいくら不思議な和音が使われていてもそこも含めてのその曲の魅力である。でも、一方で適切な流れに書き変えたい自分もいるわけで、どのあたりにバランスポイントを見つけていくか、というのがこういった編曲の時の大きな問題になってくる。この学校の人たちにはもともとの曲が耳馴染みになっているわけだから、全面的に印象を変えてしまうのも適切な処置ではないだろうし。延々と主和音が続いているところをどうやって逃げようかとか、少し対旋律を混ぜた方が場が持つな、とかそんなようなことを考えて試行錯誤してました。夜は父と、弟と久しぶりに会った。父が仕事で上京して来たのに合わせて。いろいろと他愛のないようなことを話していて改めて、父と母の間に生まれたことを感謝する。今振り返っても、両親は愛情たっぷりに育ててくれたと思う。その結果がこんな不安定な作曲家人生、というのは申し訳ないなぁなんて両親(だけ)に対しては思うけど。(^^;)それでもやりたいことをやりたいようにやらせてもらえている環境には感謝してもしきれない。弟もちゃんと将来の目標や計画を持って頑張っているようだった。この間ライヴを見に行ってから僕の方ではいろいろ心配が膨らんでいたけど、僕が心配するような問題くらい、ちゃんと弟もわかってるみたい。そこはやっぱりできた弟だと思う。父の話では両親は最近特に夫婦仲が良いらしい。平穏な日々を送っているようだ。もともと滅多にケンカしているところを見なかったけどね。いつまでも仲良く過ごしてください。>両親へ
何故か変わった依頼を受けることが多いのだけど、また一風変わった依頼を頂いた。「ピアノリダクションスコアの作成」。アンドレ・カプレの曲を演奏会に向けて練習するにあたってリダクションが必要なんだそうだ。どんな曲か、分量がどれくらいかもわからないのでとりあえず資料を送っていただくようにお願いしている段階。お受けできるような中身、分量の作品だといいんだけれど。カプレって、(クラシック業界での)一般的な知名度ってどこにあるんだろう。ドビュッシー「聖セバスティアンの殉教」の編曲になるのかな。それとも3声のミサ?
久々にJMLセミナー入野義朗音楽研究所のレクチャーに出かけた。今日はイタリアの作曲家Luca Lombardi(1945-)を迎えて近作について聞く。不勉強なので実は初めて聴いた作曲家だったのだけど、興味を持ったのでレクチャー後に拙い英語でスコアがどこから出版されているか、とかを教えて頂いた。思うように英会話が出来ない、というのは時々困る。やっぱり身につけておくべきです。僕が「下手な英語ですいません」と言ったらロンバルディさんは「いやいや構わないよ」と言ってはくれたけど、やはりこちらが感じたことを伝えられないのは苦しい。帰りに渋谷のタワーレコードによって(これも久しぶり)早速ロンバルディさんのCDを探したけれど見つからず。残念。しかしなぜかGoffredo PetrassiのCDが平積みされていたので買ってしまった。「6番目のナンセンス」が入っているCDだった。「5つのナンセンス」の後に書かれた曲がある、という情報だけは知っていたけど実際に聞くのは初めて。5番目までとは違う毛色でまとめられた曲だった。面白い。子音を盛んに立ててまくしたてる中から浮き上がる長音。多分実演だと効果的に、面白く聴けるんだろうな。(どちらも無伴奏混声合唱の曲です)他に収録されていたのは「オケコン」の第3番など。手元の資料で見るとペトラッシは72年までの段階で「オケコン」だけでも8曲作っている。映画の音楽も盛んにやっているみたいだし、結構ヴァイタリティのある作曲家です。1904年生まれだからなんと今年98歳ということになりますね。訃報は聞いていないけど、今でも筆を進めてらっしゃるんでしょうか。お元気ならどんどん新作を書いて欲しいものです。今日まで全然意識したことはなかったけれど、もしかすると現代音楽に限っては僕はイタリアの作曲家が好みに合っているのかもしれない。旋律の落としどころだとか、温度感だとか、求心力だとかが程よく嗜好にあっているのかも。かといって熱狂した作曲家がいるわけでもないんだけど、今後重点をおいて研究してみるべきなのかもしれない。僕が手に入れたいと願っているものが見つかるかもしれない。